美学貫いた芸能リポーター 福岡翼さんは他局スタッフを一喝
芸能リポーターで映画評論家でもあった福岡翼さんが、今年4月20日に慢性心不全増悪のために亡くなっていたことが明らかになった。
79歳だった。もともとは女性週刊誌の編集者で、いいポジションにいたのだが、テレビのリポーターに転身してワイドショーの顔、その草分け的な存在になった人だ。いろいろな役者さんの映画や舞台に足を運んで取材を深める人で、番組もテレビ局も違う僕が教えを請うと、ニコニコしながら聞いたこと以上に深い話を教えてくれた。
その一方で、他局のスタッフが取材現場で散らかしたゴミをそのままにして帰ろうとすると、厳しく叱りつけて持ち帰らせたり、誰が散らかしたのか判然としない時には自ら持ち帰るような人だった。福岡さんは時にはタレントを批評せざるを得ないこともあり、自らを律する部分が大きかった。
10年ほど前に病に倒れ、4年前には最後まで続けていた九州朝日放送の番組出演も終えていた。もう2年近く前から福岡さんの近況を耳にすることがなかったが、その頃から自宅の電話がつながらなくなっていた。