美学貫いた芸能リポーター 福岡翼さんは他局スタッフを一喝
こちらは全員、絶句するのみ。場がシラけ、そろそろ解散しようと店に勘定を頼むと、「あっ、さっき国広さんが全部支払っていかれました」とのこと。こちらも困ってしまい、前田さんが代表して国広の事務所におわびすることになったと記憶している。その後、国広に取材で顔を合わせることはなかったが、僕らはもしスキャンダルか何かで取材となったら、“矛先が鈍る”のではないかと、そこが心配になったものだ。別に敵対する必要はないが、メディアの端くれとして、時には厳しく論じなくては視聴者や読者には信じてもらえない。
今はこんなエピソードも耳にしなくなった。芸能メディアの取材体制やタレントへの接触の仕方も時代が変わったという気がする。福岡さんの訃報に接し、もっと原点に立ち戻って取材のあり方を考えたいと思った。