「仁義なき戦い」で眉を剃り落としたら迫力は出たけれど…

公開日: 更新日:

  ◇  ◇  ◇

 東映の傑作というより日本映画が誇る傑作と言っていいのが1973年に公開された「仁義なき戦い」だった。俺自身、第1作の脚本を読んだときに「これはいける」という手応えがあった。何しろ物語のベースになっているのは戦後の広島で現実に起きた抗争事件だし、登場人物全員に実在のモデルがいる。そのリアルさはそれまでの任侠映画にはないものだった。

 今だから言えるけど、当時の京都撮影所にはモデルとなった本人やその親戚や関係者なんかが、よく来てたよ。彼らも自分たちの世界がどう描かれるか気になったというわけさ(笑い)。

「あんまりカッコ良く描くなよな」

「俺の叔父貴は、あんなことは言わなかった」

 そんな感じで、こっちが聞かなくても、いろいろアドバイスしてくれた。

 もちろん、それをすべてうのみにして演技をしたわけじゃないけどね。一番大事なのは自分がシナリオを読んで受けたイメージ。これをベースに演じたし、それに対して深作欣二監督も何も言わなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差