「日本賭博史」紀田順一郎著
「日本賭博史」紀田順一郎著
人類誕生と同時だともいわれている賭博の起源から現代まで、日本人が興じてきたさまざまな賭博について論じた日本のギャンブル史。
世界各地の原始遺跡で古代人が賭博に用いた骨製のサイコロなどが見つかっている。日本でも、弥生時代後期には一定のルールと賭具という形式を整えた賭博があったと思われる。そして、文献に現れる最も古い賭博の記録は、日本書紀に記された天武天皇自ら主催した双六の一種と思われる「博戯」だという。
以降、万葉集に登場する「樗蒲(ちょぼ)」と呼ばれる賭博に始まり、丁半、カルタ・花札、パチンコ、競馬などの動物賭博、そして現代の宝くじまで。日本人をとりこにしてきた賭博の歴史と概要を解説する1960年代に刊行された名著の復刻。
(筑摩書房 1210円)