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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

日テレ「一番遠い親戚さん」の華麗なる家系図にビックリ

公開日: 更新日:

千葉雄大は藤田嗣治と11親等

 お次は、千葉雄大。こちらもなかなかすごかった。まず、母のいとこで5親等にあたるのが作家の立松和平。7親等には日本の近代演劇の礎を築いた小山内薫がいる。それだけでも十分だが、さらに“世界に名を馳せる超有名な親戚”として紹介されたのが11親等の画家の藤田嗣治だった。

 ところが、スタジオにいるゲストたちは藤田を知らないのか、写真を見ても「ポカン」。「ピカソと交流があった」というナレーションでようやく藤田のすごさが分かったもよう。下手に知ったかぶりされるよりはマシだが、出演者の教養レベルがお粗末過ぎた。

 その後、児玉源太郎やら木戸孝允の名前が出てきて千葉の遠い親戚さんで出てきたのは加山雄三。千葉とは21親等。つまりDAIGOと千葉は加山を挟んで遠い親戚さん。加山とジョン・レノンも遠い親戚さんになる。

「友達の友達はみな友達だ」じゃないけど、「親戚の親戚はみな親戚だ」って感じ。世間を見渡せば、自分たち家族さえよければいいという身勝手な人間が多過ぎ。それも今や自分たちどころか自分さえよければという自己チューばかり。自分ひとりで大きくなったような顔でエラソーにしている人を見るとウエスタンラリアットの一発もかましたくなるが、そんな人もこういう番組を見れば、人はみんなつながっていると気づくのでは。

 家系図をたどり、時には海外までも取材に行くのは予算も労力もかかるだろうが、その分ほかにはない、いい番組になっている。NHK「ファミリーヒストリー」と勝負!

 ぜひ、レギュラー化を。

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