12時間以上粘り一八の話を聞き出すも…やっさんが顔に水を
朝の喫茶店で始まったやっさんとの飲み会はすでに4軒目。お開きになったのは夜10時近くになっていた。足元がおぼつかなくなったやっさんを家に送ろうとタクシーに乗せた。運転手に家の方向を告げたが、走り出して間もなく、「おう、プラザホテルに行ってくれ」と行き先を勝手に変更してしまった。
イヤな予感がした。この取材の少し前にも、別の取材で大阪にやっさんを訪ねていたのだが、その時の記憶が蘇った。その時は帰りは大阪から東京までの飛行機を予約していた。新幹線は夜9時ごろまで時間に関係なく飛び乗ることもできるが、飛行機はできない。やっさんから逃げる策だった。飛行機の時間を告げると「うちの嫁に車で送らせる」と言ってきた。断る理由もなく受けた。まずは車の中。「なにノロノロ走ってんや。抜かれとるやないか。右からまくれ」と競艇のごとく奥さんに指令が飛んだ。おかげで出発1時間以上前には空港到着。さらに、「まだ時間ある。俺がよく使う寿司屋がある。そこで軽くつまんでいけ」と誘われた。あっという間に30分前になった。搭乗手続きがあると席を立つと、「大丈夫や。俺が連絡しておけば飛行機は待っとる」と言う。そんなはずもなく、結局、乗り遅れた。仕方なく新大阪から最終の新幹線で帰京したことがあった。