食い放題の焼き肉で相撲取りに間違えられたグレート義太夫
クルクルクル~、カラ~ン!! 俺の人生ルーレットが止まったぞ~! えっ、なんだこの町は? 丁髷の大男がジャージー姿で八百屋で買い物してるぞ? あ、あそこに自転車に乗った大男の丁髷が! おっと銭湯に入ったら湯船から丁髷頭が~。しかも、プ~ンと鬢付け油(相撲取りが髪を固める独特の香りが漂う整髪料みたいなモノ)のにおいが流れてきてるよ~!
そーか、ここぞまさしく90年代前半、あの日本中を大相撲の「若貴ブーム」に巻き込んだ、その若花田と貴花田(後の若乃花、貴乃花)兄弟がいる二子山部屋(後に藤島部屋や貴乃花部屋などと呼称される)のあった中野新橋なのだ。ちなみに、部屋と俺の家は徒歩で5分もかからない距離にあったのだった。
若貴はもちろん、あの頃は同じ部屋に大関になる貴ノ浪はいるわ、人気と実力を備えた安芸乃島や貴闘力などなどワンサカいて、そりゃわが町の空気はデブ(失礼)のせいで薄くなっていたのだ。そんなデブ(失礼)の町の中に2人の肩身が狭いデブ(こちらは失礼ではない!!)が存在していたのです。
1人は一時期、現役時代の舞の海の体重を超えたデブの松村邦洋であり、そしてもう1人は我がたけし軍団史上最強で最重量120キロの体重を有したグレート義太夫なのであった。