アメリカのひび割れを修繕できる真のヒーローはいるのか
アメリカの新型コロナ感染は凄まじいことになっている。死者もまだまだ増えている。往生際の悪いあの金髪のバカ者なんか放っといて、マスク義務対策ぐらい各州ですぐやったらどうなんだろう。敵だ味方だといがみ合いばかりして、ほんとに憂鬱な国になった。当分、観光客は行かないし、行く気もしない。
我らはアメリカのテレビ映画第1世代だ。1950年代後半から輸入されだした30分の実写シリーズの「スーパーマン」や字幕スーパー付きの「ハイウェイ・パトロール」に始まり「名犬ラッシー」や「パパは何でも知っている」、西部劇「ローン・レンジャー」、ロスの探偵モノ「サンセット77」、子供無声映画「ちびっこギャング」まで映るものなら何でもかんでも片っ端から、ちゃぶ台に並んだ夕飯に箸をつけるのも忘れ、貪るように見た“アメリカ文化真っ先享受少年”だった。マネをして作り始めた日本国産ドラマの「月光仮面」や「少年ジェット」などは7、8歳の少年でも分かるほど、ドラマの質は差があり過ぎて見劣りするモノばかり。我ら世代はテレビでアメリカを知り、世界を知り、テレビこそ“世界の窓”だった。50年代後半から60年代前半にかけて、つまり、ケネディ大統領が暗殺されるまでの頃は、黒人差別の激しい白人中心社会だったことは全く分からなかったが、でも、白馬で駆けるローン・レンジャーと、相方の先住民インディアンの“トント”は友情に結ばれながら悪漢を退治したし、アメリカは、人と家族の「理想」と「夢」と「憧れの虚構」を世界に向けて発信できた時代だった。