70年代を恋しく思う…世間を覆う閉塞感はいつまで続くのか
なんて冷たいんだろ。気温じゃない。この社会だ。先日、都内で電車に乗りこんだら、あまりに気味悪かったので、次の駅で降りてしまった。こんなことは今まで一度もなかったよ。
初めはコロナに注意で吊り革にもポールにも掴まりたくないし、人が寄っていない連結部近くの隅に行って、過ぎ去る窓外の踏切を眺めていた。――あらっ、焼きイモ屋のリヤカー屋台。そうか、もう秋なんだ。イモ屋のおっちゃんもガンバって生きてんだ。この春から夏、我は何してたんだ。
よっし、今晩こそ、古本屋で買った歴史家の色川大吉さんの自分史でもある「ある昭和史」(中央公論新社)を読み直そうか――なんて思いながら。