著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

追悼ショーン・コネリーさん ボンドは雲の上の存在だった

公開日: 更新日:

「007」で初代ジェームズ・ボンド役を演じたショーン・コネリーさんを、ここで追悼したい。
 東海道新幹線が開通した翌年の1965年春「ゴールドフィンガー」で、あの猿顔のボンドを初めて見た。中学1年の時だ。潜水服を脱ぐと中に白いタキシードを着ていたので“ほぉ、ちっとも濡れてへんやん、でもカッコええな”と感心したのを覚えている。それから、ボンドと仲良くなった女が全身に金紛を塗りたくられて死んでる場面で、友達は「皮膚呼吸できなくなったんや」と感動していたが、こっちはチンチンが勃起していたのも覚えている。追悼になってないか。まあいいか。アメリカの北爆に反対して「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)が結成された頃だが、そんなことは知るはずもなく、平和しか見えない時代だ。ボンドは雲の上の伊達男でかけ離れた存在だった。

「ゴールドフィンガー」のオープニングで初めて、あのJ・ボンドのテーマ曲が奏でられたとか。国際犯罪組織がアメリカの空軍基地に保管された大量の金塊に核物質をまき散らす爆弾を仕掛け、放射能で汚染させ、しばらく金塊を持ち出せないようにして、その間に金価格を高騰させて中国と一緒に儲けようというトンデモ話なのだが、それもよく分からず、「プッシー」という名のグラマーなボンドガールばかりが気になって、手の早いボンドがキス攻撃して迫るのが憎たらしかった。プッシーはほんとにお色気ムンムンで、銀幕にクギ付けの少年の股ぐらを2時間も困らせ続けたのだから忘れようがない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 2

    中居正広の騒動拡大で木村拓哉ファンから聞こえるホンネ…「キムタクと他の4人、大きな差が付いたねぇ」などの声相次ぐ

  3. 3

    木村拓哉は《SMAPで一番まとも》中居正広の大炎上と年末年始特番での好印象で評価逆転

  4. 4

    中居謝罪も“アテンド疑惑”フジテレビに苦情殺到…「会見すべき」視聴者の声に同社の回答は?

  5. 5

    中居正広9000万円女性トラブル“上納疑惑”否定できず…視聴者を置き去りにするフジテレビの大罪

  1. 6

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  2. 7

    フジテレビは中居正広で“緊急事態”に…清野菜名“月9”初主演作はNHKのノンフィクション番組が「渡りに船」になりそう

  3. 8

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  4. 9

    若林志穂vs長渕剛の対立で最も目についたのは「意味不明」「わからない」という感想だった

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース