追悼ショーン・コネリーさん ボンドは雲の上の存在だった
「007」で初代ジェームズ・ボンド役を演じたショーン・コネリーさんを、ここで追悼したい。
東海道新幹線が開通した翌年の1965年春「ゴールドフィンガー」で、あの猿顔のボンドを初めて見た。中学1年の時だ。潜水服を脱ぐと中に白いタキシードを着ていたので“ほぉ、ちっとも濡れてへんやん、でもカッコええな”と感心したのを覚えている。それから、ボンドと仲良くなった女が全身に金紛を塗りたくられて死んでる場面で、友達は「皮膚呼吸できなくなったんや」と感動していたが、こっちはチンチンが勃起していたのも覚えている。追悼になってないか。まあいいか。アメリカの北爆に反対して「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)が結成された頃だが、そんなことは知るはずもなく、平和しか見えない時代だ。ボンドは雲の上の伊達男でかけ離れた存在だった。
「ゴールドフィンガー」のオープニングで初めて、あのJ・ボンドのテーマ曲が奏でられたとか。国際犯罪組織がアメリカの空軍基地に保管された大量の金塊に核物質をまき散らす爆弾を仕掛け、放射能で汚染させ、しばらく金塊を持ち出せないようにして、その間に金価格を高騰させて中国と一緒に儲けようというトンデモ話なのだが、それもよく分からず、「プッシー」という名のグラマーなボンドガールばかりが気になって、手の早いボンドがキス攻撃して迫るのが憎たらしかった。プッシーはほんとにお色気ムンムンで、銀幕にクギ付けの少年の股ぐらを2時間も困らせ続けたのだから忘れようがない。