中森明菜「ザ・ベストテン」1位獲得回・曲数以外の大記録
もちろん、放送時期やデビュー年という要素も大きいが、明菜とスタッフが〝戦友〟となって毎週見せ場を作り、視聴者を魅了し続けた事実も見逃せない。番組に12年間携わったプロデューサーの山田修爾氏は、著書で彼女の言葉を明かしている。
〈『ザ・ベストテン』はどうして成功したか知ってる?(中略)スタジオで歌う時、これは勝負だったのよ。セットはどういうセットなのか。カメラは私をどう撮ろうとしてるのか。毎回、セット、照明、カメラVS私の勝負なの。このフレーズでこう撮るか、こういう灯りで来るか、では私はこう動いてこう歌う、セットや照明、カメラに負けてなるものかと思って歌ってたのよ。わかってくれる? 私たちも一生懸命だった〉(08年12月発行「ザ・ベストテン」ソニー・マガジンズ)
スタッフと歌手が刺激し合うことで、お互いの能力を最大限に引き出していた。双方の勝負が圧倒的な熱量を生み、高視聴率に繋がった。そして、令和になった現在でも再放送が歓迎される番組になったのである。
【注1】通算・年間ともに1ランクインを1カウント。つまり、1週に2曲ランクインしていれば、2カウント。