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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「ボス恋」成功は上白石萌音の魅力を最大限に生かしたこと

公開日: 更新日:

 かねてヒットする朝ドラのヒロインはタヌキ顔という説を唱えてきた。クールビューティーなキツネ顔よりも愛くるしいタヌキ顔。

 朝ドラのヒロインはその成長していくさまを見せるわけで、視聴者に応援してもらってなんぼだったりする。親しみのあるタヌキ顔は、好感をもたれやすい。

 で、TBS系の火曜22時ドラマ。「恋はつづくよどこまでも」の上白石萌音、「私の家政夫ナギサさん」多部未華子、「おカネの切れ目が恋のはじまり」松岡茉優、「この恋あたためますか」森七菜と、昨年の主演女優は全員がタヌキ顔だ。

 昨今、この枠のドラマは仕事に恋愛に頑張るヒロインを描いて安定の人気を誇っているが、朝ドラ同様、その秘密はタヌキ顔といえそうだ。

 で、今期の「オー!マイ・ボス!恋は別冊で」である。「恋つづ」で一気にブレークした萌音が再登板し同じスタッフが再集結、しかもオリジナル脚本というから萌音の魅力を最大限に生かしたドラマである。「プラダを着た悪魔」のパクリ? などと揶揄する向きもあるのだが、そんな声もなんのその、4話までの視聴率はすべて11%台と安定している。スタイル抜群、9頭身の菜々緒と萌音が並ぶとバービー人形とシルバニアファミリー人形ほどの差があるが、その分、愛くるしさも増す。

 このドラマにはもうひとつお楽しみがある。それは萌音の母親を宮崎美子が演じているところ。初めて萌音を見た時、宮崎の若い頃にそっくりと思ったのは私だけではないはず。その2人の母娘共演はなかなかいい。この手の恋愛ものはかつてフジの月9が得意としていたが、令和の今はTBSの「火22」にお株を奪われてしまったようだ。

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