震災から10年で番組続々 Nスペ注目は仙台・荒浜16年の記録
NHKスペシャル「イナサ~風寄せる大地 16年の記録~」(3/8 22時~ NHK総合)
3月11日(木)に東日本大震災から10年を迎える今週、NHKは毎夜、震災をテーマとしたドキュメンタリー番組「NHKスペシャル」を放送する。その中で注目は、8日夜に放送される「イナサ~風寄せる大地 16年の記録~」だ。
宮城県仙台市若林区の荒浜に暮らしていた人々は、毎年春になると吹く南東の風をイナサと呼んでいた。イナサは、海と田畑に挟まれた半濃半漁の集落に豊漁と豊作をもたらす“情けの風”だった。
しかし、2011年3月11日。人々が待ち焦がれたイナサが吹く前、約750世帯、2400人余りが肩を寄せ合うように暮らしていた集落を東日本大震災の津波が襲った。住宅などの建物は根こそぎ流され、200人近くが命を落とした。
NHK仙台放送局の制作技術グループは、震災前の2005年から16年にわたり、荒浜の漁師の佐藤吉男さんと松木波男さん、農家の佐藤利幸さんの家族を軸に荒浜の人々の暮らしぶりを取材し続け、折りに触れて「NHKスペシャル」「ETV特集」などの番組として放送を続けてきた。