俳優・田中邦衛と脚本家・橋田寿賀子は何がすごかったのか
俳優・田中邦衛、脚本家・橋田寿賀子の訃報が続き、昭和は遠くなりにけりと思った人も多いに違いない。
田中邦衛が先月24日に老衰のため88歳で亡くなり、第一報が届いたのは2日、18時のNHKニュースだった。
実は田中の長女・田中淳子氏はNHK職員で2006年には同局初の女性海外支局長としてシドニー支局長に就任した。その後はワシントン支局長、BS-1「国際報道2016」キャスターを歴任し、昨年4月からは広報局長を務めている。最初にNHK発表となったのにはそんな事情もあった。
数々の名作に出演している田中だが、晩年、縁が深かったフジテレビは直後の3日に追悼番組として「北の国から’87初恋」を放送した。
「田中邦衛の訃報が伝えられた先週末は、同日に有吉弘行・夏目三久の結婚が報じられ、そちらに話題を持っていかれた感があったのは残念な気がしました。それでも他局のワイドショーも『北の国から』で田中が演じた黒板五郎を取り上げて、今も衰えない人気ぶりが印象的でした」(TVウオッチャー)
中高年にとっては田中は「北の国から」だけの人ではない。1966年のドラマ「若者たち」の長男役、加山雄三主演映画「若大将」シリーズのライバル・青大将役、さらに忘れられない映画「仁義なき戦い」シリーズの槇原政吉役もある。槇原は組長にゴマをすってはうまく立ち回る狡猾なヤクザ。黒板五郎とは似ても似つかない役どころを演じた名優だったことも強調してほしかった。