コロナ対策で一番緩んでいるのがお笑いバラエティー番組
日本で新型コロナウイルス感染が蔓延して1年半、おそらく今が最も危機的な状況だ。緊急事態宣言を2カ月近く出しっぱなしにしても、重症感染者減少や医療崩壊食い止めの見通しは立たないし、ワクチン接種が進んでいるといっても、変異ウイルスにどこまで有効なのか、いつまで効力が続くのかはわかっていない。
そんななか、「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)でクラスターが発生してしまったが、テレビ局で次が危ないとしたら、あそこからだろうと警戒されている番組がいくつかある。ひとつが「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)で、タレントやお笑い芸人が、夜だから話せるという触れ込みでプライベートを公開し、それを司会の桜井翔と有吉弘行がイジるトークバラエティーだ。一応は出演者の間にパーティションはあるのだが、立ち上がって大声でやりあったり、大笑いしたりと、酒を飲んでいないだけで、居酒屋の喧騒と変わらない。「しくじり先生」(テレビ朝日系)も少しずつ離れて座ってはいるものの、ゲームやコントが始まると、歩き回って体がぶつかるほどの密になる。
大声ということでは、「ウッチャン式」(TBS系)でおいでやす小田が、芸ともいえない「大声ツッコミ」とやらで叫んでいた。「新しいカギ」(フジテレビ系)の「発音カラオケ」では、飛沫どころか、画面からもはっきりわかるほどツバ飛びまくりだ。「笑点」(日本テレビ系)だって、仕切りのアクリル板は形ばかりで、落語家たちは座布団の上でひっくり返って悪ふざけ。テレビのバラエティー番組は、もはや新型コロナなんか知ったことか、3密ってなんだっけ? と言わんばかりの傍若無人である。