「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」先輩・後輩という女性コンビ設定が秀逸
刑事ドラマならぬ“警官ドラマ”が登場した。「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(日本テレビ系)だ。ドラマや映画で主役となるのは刑事ばかり。ハコヅメ(交番勤務)の女性警察官のバディーものは珍しい。
挫折寸前の新米警察官、川合麻依(永野芽郁)。交番に飛ばされてきた刑事課の元エース、藤聖子(戸田恵梨香)。2人のキャラクターと組み合わせの妙がこのドラマのキモだ。川合は公務員になりたかっただけの「意識低い系」だが、藤の仕事ぶりに刺激を受ける。
路上に倒れていた不審な男(モロ師岡)の靴底を見て、空き巣と判断。また自殺の通報を繰り返す若者にも本気で対応し、結果的に命を救う。藤の「警察官の主な仕事はサンドバッグだよ」という覚悟と、「警察官だって人間なんだから」というおおらかさがいい。
仕事が出来るだけでなく、女子会と称して川合たちと飲んだりする寂しがり屋の藤。戸田は見事なハマリ役と言える。また、ドジでヘタレだけど天性の人の良さが武器になりそうな川合。永野も程よいコメディータッチのこの役がよく似合う。
NHKドラマ10「半径5メートル」の永作博美と芳根京子もそうだったが、仕事上の先輩・後輩という女性コンビが目につく。徐々に成長していく後輩を通じて、先輩の生き方と魅力も見る側に伝わってくる。ダブルヒロインドラマの醍醐味だ。