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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<51>ドン・ファンは新大阪に向かう新幹線からミス・ワールドに4、5分ごとに電話

公開日: 更新日:

 改札口で彼女と別れて、ドン・ファンと一緒に新幹線のグリーン車に乗った。車両には他に客が1組いるだけで、貸し切り状態だった。

■まるで恋をし始めた少年

「いま乗ったから。無事に帰れたかい? そうですか。はいはい。ありがとうねえ」

 席に腰掛けるなり、ドン・ファンは携帯を出して電話をかけ始めた。他の客とは席が離れているので迷惑をかけるほどではない。どうやら相手はミス・ワールドのようだ。さっき別れたばかりなのに、まるで恋をし始めた少年のようではないか。

「ぞっこんなんですね」

「そうや。いい女やろ」

「そうかもしれませんが、あなたは妻帯者ですよ」

「いやいや、そんなのどうでもええから」

 貞操観念など皆無のドン・ファンに説教をするのは馬の耳に念仏というものだろう。私はトラブルに巻き込まれたくないので、それ以上突っ込むことはしないようにしていた。

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