「殿 襲われる」のニュースを聞いて俺が思い出したこと
9月5日の朝、そのニュースが報じられた途端、自身の体温が一気に下がるような状態になったのだ。
そのニュース。「ビートたけし 暴漢にツルハシで襲われる?」である。見出しを見てワナワナとなったが……内容を読んでいくと、殿(たけしさん)は車内にいて無傷と報じられていたので、とにかくホッとし、体温がゆっくりと戻っていくのを感じたのだった……。
後日、犯行理由は弟子入りを断られた逆恨みというものだったようですが、無事だったから本当によかったけど、恐ろしい世の中です。これは以前の話ですが、直接的に身の危険を感じるというのではなく、精神的にプレッシャーを与えられたことがあったのです。
かつて渋谷ビデオスタジオというテレビ番組の収録が頻繁に行われていた(「平成教育委員会」などもそこです)ビルがあったのですが、そのスタジオで俺が収録を終え、スタッフと軽く打ち上げで一杯行きますかと玄関を出た途端、ビルの物陰に身を潜めていた30歳くらいの身なりもキチンとした男性がツツツーッと足音もなく忍び寄ると、俺の耳元で「実は地球征服を阻止していただきたいんです。それをできるのはたけしさんとダンカンさんの2人きりしかいないんです。おふたりが力を合わせてくだされば、必ずやこの地球は救われます……」とまるで尾行されてはいまいかというように、周囲に気を配り、小言で話しかけてきたのだった……。