「ガキ使 笑ってはいけないシリーズ」休止のウラ事情 12.31夜の民放視聴率11年連続1位なのに…
■「テレビに“余白”がなくなってきている」
以前から、「イジメや暴力を助長する」という理由でヤリ玉に挙げられてきた同番組だが、BPOの元委員で、放送ジャーナリストの小田桐誠氏はこう解説する。
「この手の問題は、この番組に限らず昔からたびたびあったんですが、そもそも人を笑わせることは泣かせることよりも難しいと思うんです。しかし昨今は、バラエティー番組も、キャスティングは人気タレントに集中し、制作時間も予算もない。作り手にとって、笑いの幅や奥行きは狭くなってきているように感じますね。それは見る方も同じで、テレビとの距離感というか、テレビを視聴する中で“余白”を感じられなくなっているのではないか。作り手側も見る側も余裕がなくなっていると感じます」
だが、こうした規制が進むと現場が萎縮してしまうのは避けられまい。
「バラエティー番組がこの種の演出をカットした場合、多くの若手芸人らは仕事を失うことになるでしょう。ドッキリや罰ゲームは、まさに若手芸人の主戦場だからです」(制作プロデューサー) 視聴者の地上波離れが加速し、ますますYouTubeや配信動画に流れる中、過度な規制を危惧しているテレビマンは多い。