<55>苦しんで暴れて死んだ愛犬イブに動物病院は「老衰」と診断
ゴールデンウイーク前に来たばかりの田辺に10日ぶりに戻ってきた。
「あ~ら、お久しぶり。お元気そうね」
玄関で出迎えてくれたのは、家政婦の大下さんだった。彼女は月に2度程度やって来て10日間ほどいるのだが、今回は連休の最中にお手伝いとして来たらしい。
「イブちゃん、残念でしたね」
リビングのソファに腰掛けて聞いた。
「そうなのよ。日曜(5月6日)の晩、10時半ごろに突然苦しみだしてね。動物病院を探したけれど日曜の夜なのでどこも開いていなくて。さっちゃんがネットで検索して大阪市内の大学付属病院を見つけて運んだの。マコやんは酒を飲んでいるからダメだと断られて。それでさっちゃんが『運転をする』って言いだしたんだけど社長が『ダメだ』って怒って、結局、私が2人を乗せて向かったのよ」
免許を取って10日ほどしか経っていない早貴被告にハンドルを握らせるのは無謀だと私も思ったが、大下さんの運転はかなり危なっかしいことも知っている。深夜に片側1車線の区間が多い高速道路を運転させるのは無謀だったとしか思えなかったが、事故がなくて幸いだった。