<71>野崎幸助さんの遺体第一発見者は早貴被告「冷たいというかカチンカチン」
「お疲れさまだったね。今お茶をいれるから」
アプリコの番頭格マコやんと一緒に野崎幸助さんの自宅に着くと、リビングにいた大下さんが立ち上がってキッチンに行った。
「いや、いいですよ。それより詳しく昨晩のことを教えて下さい。早貴ちゃんは?」
「朝3時すぎまでガタガタしていたから寝ているわよ。若い娘はよく寝るから」
彼女は大下さんが寝ているゲストルームのベッドで寝ているようだった。それ以来、早貴被告はドン・ファンの亡くなった2階の部屋で寝ることは一度もなく、しばらくの間、大下さんと一緒にキングサイズのベッドで寝起きをしていた。
マコやんと大下さん、そして私で昨晩のことを聞いた。
「私は午後4時ごろに車で父親の病院に行ったの。その前に夕食用にうどんを作っておいて、必要なら食べてもらおうと思って準備もしたのよ」
「社長が夕食を食べることなんてないでしょ」
「うん。そうだけど、一応という意味でね。7時半すぎに戻ってきたら早貴ちゃんが1階でテレビを見ていて、珍しいなあと思ったの」