著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<67>「気を付けてね」笑顔で見送るドン・ファンと永遠の別れ

公開日: 更新日:

 待ち合わせをした喫茶店から山道を10分近く走ると、そこがスポーツ施設だった。造られたのはバブルが始まる1980年代後半で、東京ドームがすっぽり入りそうな広大な敷地に建物がポツンポツンとあった。木々の間に朽ちたバンガローが点在し、錆びた金網で囲まれたテニスコートが何面もある。燦々と降り注ぐ春の陽光が照らすコートの真ん中に雑草が生えているので何年も使用されていないのだろう。かつてはここに若い男女の嬌声が響いていたと思うと、切なさが込み上げてきた。

「こんなふうになるなんてむなしいですね」

 私はマコやんと一緒に雑草が生い茂っている敷地をグルッと歩きながらつぶやいた。

「相当繁盛したんやろうな」

 比較的損傷の少ないバンガローは今でも林間学校に貸し出されているようで、使用上の注意の張り紙があった。温泉の施設もあって湯が張られていたが、古くて狭く、奇麗とは言えない。

 施設の創業者は亡くなって時間が経っているらしいが、作業衣姿の奥さんが野崎幸助さんと木陰の椅子に腰掛けていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された