<4>寄席に出始めて50年「昔は個性的な師匠が大勢いました」
菅「お世話になった師匠連がずいぶん亡くなったね。先代助六師匠、柳昇師匠、先代文治師匠、歌丸師匠。俺たちが入会した後に入門した落語家が、今じゃ協会の幹部だもんね」
確かに、昭和57年に入門した春風亭昇太が、現会長なのだから、歳月の流れを感じる。
仲「今の小痴楽さんの父親、痴楽師匠は親分肌で、ごちそうするのが大好き。きっぷのいい方でした。小痴楽さんが父親の気性を受け継いで、よく若手にごちそうしてます」
小痴楽は二つ目時代に「成金」という若手ユニットを結成し、若年層のファンを獲得した。売れっ子の神田伯山もメンバーのひとりだった(現在は解散)。
仲「今も彼らが寄席でトリを取ると、連日若いお客さまが詰めかけます。何日も通う方も多い。僕らがおなじみのネタをやると、『前に聞いたよ』と言っているのが聞こえまして(笑い)。そう言われちゃこっちも負けてられません。毎日ネタを替えましたよ」 =つづく
(聞き手・吉川潮)