「キングオブコント」王者の空気階段は“虫のような扱い”を見事はねのけた
昨年10月に行われたコント日本一を決める大会「キングオブコント」は「史上最高レベルの激戦」と言われた。過去最多の3015組の出場者の中から厳しい予選を勝ち抜いた10組のファイナリストが、ハイレベルなネタを次から次へと披露して、会場を爆笑の渦に巻き込んだ。
そんな中で優勝を果たしたのは、鈴木もぐらと水川かたまりの2人からなる空気階段だった。彼らは2012年にコンビを結成して以来、コントを専門にしてライブ中心の活動を続けてきた。
だが、最初のうちは全く芽が出なかった。外見も芸風も地味な彼らのネタは、若い女性中心のライブの客層には刺さらなかった。しかも、彼らがデビューした当時はテレビでもネタ番組がほとんどなく、無名の若手芸人がメディアに出る機会はほとんどなかった。
当時は若い女性客から「虫」のような扱いを受けていて、まともにネタも見てもらえなかったと本人たちは振り返っている。
それでも、八方塞がりの状況でネタを磨き続けているうちに、数少ないチャンスを着実にものにしていった。徐々にネタ番組に呼ばれるようになり、ラジオのレギュラーも始まった。