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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

コントから漂う慈しみ 空気階段・もぐらの「ダメな人」への実感と共感

公開日: 更新日:

「僕らコントしかなかったんで……」(鈴木もぐら/TBS「キングオブコント2021」10月2日放送)

 ◇  ◇  ◇

 今年のコント日本一を決める「キングオブコント2021」(TBS)は、空気階段が優勝。19年は9位、昨年は3位と着々と順位を上げてきたが、歴代最高得点を記録し、ついに14代目王者に輝いた。その際、涙ぐみながら、鈴木もぐら(34)が語った一言を今週は取り上げたい。

 もぐらといえば「クズ芸人」として注目を集めていた。借金が550万円以上あるだとか、その借金もギャンブルや風俗通いでつくったものだとか。遅刻癖もひどく、10分や20分のレベルではなく、数時間遅刻することもザラにあるそう。

 金がなく、衛生状態が悪い部屋に住んでいたため「ネズミしかかからない病気にかかった」とか。「19歳の頃、実家に中国の窃盗団が入った」とか。「通常は一生もつはずの股関節の軟骨を32歳で使いきってしまったため、寒い日や季節の変わり目には激痛が走る」など、通常ではあり得ないようなエピソードも数多く持つ。

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