進化した“小さな大女優”毎田暖乃が「妻、小学生になる」の特異な設定を成立させている
これは、「設定」を楽しむドラマだ。堤真一主演「妻、小学生になる。」(TBS系)である。
10年前、新島圭介(堤)は、妻の貴恵(石田ゆり子)を事故で失った。それからは娘の麻衣(蒔田彩珠)と2人暮らしだ。ある日、見知らぬ小学生、白石万理華(毎田暖乃)が現れる。しかも、自分は「新島貴恵」だと主張するのだ。
ただし、昨年の日曜劇場「天国と地獄」とは異なる。誰かと「魂」が入れ替わったわけではない。小学生が語る推測によれば、事故で死んだ自分は他の夫婦に宿った命となった。彼らの娘として人生をやり直していたが、つい最近、前世の記憶が戻ったというのだ。
何だか、すごいなあ。三島由紀夫が「豊饒の海」で挑んだ、「輪廻転生」の物語ではないか。その上、本人に「転生」の自覚があることにも驚く。