高校演劇「明日のハナコ」のどこが問題? 皆、何を恐れ何に気を使っているのだ
演劇部の部員小夜子が大道具を作っていると、友人のハナコが通りかかる。小夜子はなんとかハナコに手伝わせようとする。そこから2人の会話は時間空間を飛び越えさまざまな事象を表現する。そしてハナコという戦時下に育ったおばあちゃんの話になる。彼女は原発に関わる補助金やもろもろの仕事で暮らしてきた。しかしその子孫である10万年後の「明日のハナコ」は放射能で汚染された世界で生きることになる。
ストレート過ぎる表現もあるが、なかなか面白い芝居である。
劇中の個人名はみな公人であり、差別用語も引用であって差別的使用ではない。
問題は、原電がテレビのスポンサーであり、実は高校演劇にも補助金を出しているという点だ。演劇連盟がそのような忖度をすることはおかしいのではないか。それでは福井では原発批判の演劇は作るな、ということになってしまう。脚本集を回収するなどあり得ない。
村本くんのドキュメンタリー撮影中の映画監督の話では、先ほどの村本くんの原発ネタの映像を使用したいと申請したら、それはもう二度と公開しないと却下されたらしい。
皆、何を恐れ何に気を使っているのだ。
「明日のハナコ」。私も上演してみたいと考えている。
興味のある方はぜひご賛同いただきたい。脚本は「明日のハナコ」上演実行委員会のホームページ上にある。