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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

韓国社会は「ウリ」に甘く「ナリ」に厳しい…家族も強固な絆で結ばれている

公開日: 更新日:

 韓国大統領の演説を聞いていると、よく耳にするフレーズがある。「ウリ ナラ(我が国)」「ウリ ミンジョク(我が民族)」。これは大規模な“ウリ”だけど、身近なところでは「ウリ ナンピョン(うちの夫)」「ウリ エギ(うちの子)」と、韓国社会はたくさんの“ウリ”であふれている。日本語に直訳するなら「私たち」「我々」となるけど、そう単純な言葉ではなく、どうもしっくりこない。

 重要なのが「ウリ(身内)」か「ナム(他人)」か。例えば、同じ出身地の地縁や同じ学校の出身者同士の学閥も“ウリ”かどうかの判断基準になる。そんな“ウリ”の最小単位は“家族”。儒教文化の韓国では血縁関係である家族の絆はとても強固で最優先すべき存在だ。その関係性は日本人のそれよりも濃密だと感じる。

 6月17日から日本で公開予定の韓国映画「三姉妹」でも、「姉妹は支え合うもの」「頼れるのは家族しかいない」といったセリフが飛び交う。けれど韓国人にとっての家族は必ずしも良いことばかりではない。古くは家父長制度に縛られ、女性は不自由な思いをしながらも家族という“囲い”の中で生きなければならなかった。家族の絆は、一方でしがらみでもあるのだ。

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