著者のコラム一覧
佐高信評論家

1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。

観光ポスターを見ながら「長崎は今日も雨だった」を作曲 ヒットメーカー彩木雅夫の心意気

公開日: 更新日:

 これを聞いて彩木は「若いのに苦労している。何とか報いてやりたい」と思い、一肌ぬぐ気になった。

 内山田洋とクール・ファイブが歌ってヒットした「長崎は今日も雨だった」も彩木の作曲である。作詞が永田貴子。

 彩木は実はこの歌を作曲した時まで、長崎へ行ったことがなかった。だから、観光ポスターを2枚送ってもらい、それを見ながら曲を作ったのである。

 当時まだHBCに勤めていた彩木は最初この話を断ろうと思った。すでに森進一の「命かれても」や「花と蝶」を作曲したヒットメーカーだったが、ご当地ソングというのが好きでなかったからだ。その土地に媚びているような気がした。

 長崎生まれ、長崎育ちの永田の熱心な要請に動かされて、彩木もその気になる。当初のタイトルは「長崎の夜」だった。

 彩木の札幌の家で打ち合わせをしていた時に外に目をやると雪で、どちらからともなく「長崎は今日も雨だった」にしようとなった。

 これが縁となって彩木はその後、北海道の市や町を応援するご当地ソングを、むしろ、積極的に作った。

「メロデアスタウン 美唄」や森進一が歌う「わが故郷は心のふるさと」(夕張市)などで、彩木は「僕の歌がそこの活性化につながれば、こんな幸せはありません」と言っていた。北の大地に根ざした作曲家の心意気だろう。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  2. 2

    柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  1. 6

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  2. 7

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    柔道ウルフ・アロンが“弟分”斉藤立を語る「仏リネール選手はタツルに持たれることを恐れていた」

  5. 10

    石川佳純の争奪戦からフジテレビが脱落情報!五輪キャスター起用でアドバンテージあるはずが…