次世代へと広がる宮崎駿とジブリの世界 作り手側の「感性のリレー」が始まった
7日に公開されたドリームワークスのアニメーション「バッドガイズ」は、華麗に財宝を奪う怪盗集団〈バッドガイズ〉の活躍を描いたクライムコメディー。5人のメンバーがいずれも動物だが、派手なアクションやメンバー同士の友情、彼らをしのぐ謎の女性怪盗の出現など、「ルパン三世」をイメージする内容になっている。実際、監督のピエール・ペリフェルは、作品の着想を得た一人として宮崎駿の名前を挙げていて、特に冒頭のカーチェイスを見て、「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)を思い出す人もいるだろう。
現在公開中の「秘密の森の、その向こう」の監督、セリーヌ・シアマも宮崎駿監督に影響された一人。これは最愛の祖母を失った8歳の少女が、森の中で8歳当時の母親と時空を超えて出会い、友情で結ばれるファンタジー。8歳の母親というあり得ない存在を素直に受け入れる少女は、森の妖精とすぐ仲良くなった「となりのトトロ」(88年)の少女メイのようでもある。