児島未散さん 父・宝田明さんが急逝「歌手を目指した本当のきっかけは『父の“歌う姿”』に憧れていたから」
ライブを目前に控え…
20年1月14日に予定していたライブを目前にした19年12月28日、バンマスでもあった池間さんが突然死。ライブ中止が脳裏をよぎった。
「でも池間さんの口癖は、『どんな試練があっても、待ってるお客さんがいる限り、僕たちは歌い続けなくちゃならないんだよ』。その言葉に背中を押され、急きょサポートメンバーを加えて開催。無事、満席で終えることができました」
一方、新型コロナ禍のため、一昨年、昨年と2年続けてライブは激減。だが、アルバムをリリースし、コツコツと歌い続けてきた。
そんな中、今年3月に父・宝田さんが急逝。父母は84年に離婚しており疎遠になっていたが、家族葬に参列した。
■父の穏やかな顔を最後に見送り…
「父の穏やかな顔を最後に見送った時、歌手を目指した本当のきっかけは、『努力の先に舞台に立ち、自身の人生をつづり重ねながら演じていた素晴らしい父の“歌う姿”に憧れていたからだったんだ!』と気付き、ただただ涙があふれ出ました」と振り返る。
今回の配信は、収録ではなく中目黒のライブレストラン「楽屋」からの生ライブ。チャット機能で視聴者からの声をリアルタイムで使い、言葉のキャッチボールも楽しめる。もちろんデビュー曲の「セプテンバー物語」(85年)、60万枚超のセールスを記録した「ジプシー」(90年)はお約束だ。
「『ジプシー』は元々、浅野温子さんが出演するライオンのヘアケア用品のCMソングとして作られたんです。それで、当初はサビの部分、30秒だけのレコーディングでした。ところが評判が良く、正式にCD化することに。ちょっぴりアンニュイな大人の曲ができて、私に歌えるか、とても不安でした」
1小節ごとに声の出し方、発声を変え、何十回も確認してのレコーディング。「力まないでおしゃべりしてるような感じで」とアドバイスされるほど真剣に取り組んだため、完成するまでに3カ月も要したという。
「そんな、とっておきのエピソードも交え、21時ごろまでお客さまと楽しみたいですね。配信は17日まで視聴できますので、お忙しい方もぜひどうぞ」
来年4月をめどに有観客ライブも検討中。詳細は公式HPを。
(取材・文=高鍬真之)