お笑い業界勢力図に異変! 狩野英孝、三四郎に続き「マセキ芸能」から若手が続々台頭
独自路線&賞レースに強い
一方、バカリズムのようなクリエーティブな芸人も在籍。「IPPONグランプリ」(フジテレビ系)で最多優勝記録を保持し、2015年に「市川森一脚本賞奨励賞」、18年に「向田邦子賞」を受賞するなど脚本家としても活躍。独自路線をひた走っている。
また、昨年の「M-1グランプリ」ではモグライダー、今年の「キングオブコント」では、かが屋が決勝に進出。さらには10月15日に開催された「マイナビLaughter Night」(TBSラジオ)のチャンピオンライブでサスペンダーズが優勝するなど、“賞レースに強いマセキ”というイメージも生まれてきている。
これに加え、「チャンスの時間」(ABEMA)といった番組で強いインパクトを残しているのが、きしたかの・高野正成だ。薄毛の丸刈り、白ワイシャツにネクタイといういでたちで、「ブッ飛ばすぞ、マジで!」「バカか、この野郎!」など、やや荒々しいツッコミを放つ芸人である。
とはいえ、むちゃぶりにしっかりと応え、人のいい笑みをこぼすため、どうも憎めない。「令和版・カンニング竹山」ともいうべき芸風は、コンプライアンス重視が叫ばれる今の時代だからこそ求められているのだろう。
気付けば層が厚くなっているマセキ芸人。今後、人力舎に並ぶ個性派の事務所としてさらに存在感を増していくことが予想される。
(文=お笑い研究家・鈴木旭)