武田玲奈に見た「ヒロイン性」 舞台で磨いた巧みな表現力で一気に開花の予感
物語は濵田・武田・有輝を中心に展開するが、3人のチームワークの良さは抜群によく、息の合った演技を見せていた。
■透明感ある歌声が印象的
武田玲奈という女優の才能を語るときに、注目しておきたいのは、ほかの登場人物との距離感の表現のうまさだ。
今年5月にSeason2が放送されたドラマ「異世界居酒屋『のぶ』」(WOWOW)では居酒屋で一緒に働く人々や常連客たちとのコミュニケーションをやわらかく見事に演じていたが、今回の舞台でも時間の経過とともに盗聴撲滅隊のほかの2人に心を開いていく変化をナチュラルに演じている。
濵田崇裕が演じる社長の思いつきで3人一緒に歌を歌うシーンでは、武田の透明感がある歌声が印象的で、歌に関連した仕事も今後増えそうだ。舞台上からやさしく響く武田の声の心地よさ、3人で見せる「盗聴撲滅隊」の決めポーズの愛らしさなど、そのほかにも見どころが多い。
女優には、脇のポジションで主役をもりたてる演技派、主役も助演もこなすタイプ、綾瀬はるかや新垣結衣のように強い存在感と自分の色を持っていて主役やヒロインでこそ輝くヒロイン性の高いタイプなど、さまざまなタイプがいるが、武田玲奈はヒロイン性の高い女優だ。