K-POPの祭典「2022 MAMA AWARDS」で韓国エンタメの底力を見せつけられた!大阪2daysをルポ
日本は蚊帳の外で字幕も通訳もなし
今が旬のK-POPスターが勢ぞろい、しかも生パフォーマンスとあって、チケットは2万2000円とやや高め。しかしながら転売サイトでは20万円台まで跳ね上がるほどプレミア化。会場は3階席まで超満員だが、韓国エンタメに詳しいローバー美々氏によると、メインは全世界ライブ配信なのだそう。5万人収容として10億円超の収益でも日本は蚊帳の外。スクリーンには韓国スポンサーのCMが流れ、進行もコメントもほぼ韓国語。会場向け日本語字幕も同時通訳もない。今回の視聴者票ではタイの投票が目覚ましく、次いで欧米票が増えているというから、日本の位置づけは相対的に下がっているのかもしれない。
ステージは、セリからアーティストが登場したかと思えば、ゴンドラから降りてきたり、セットに3D映像を合成し、照明やぐらの上に巨大クモが登場するなど生ライブにはない演出もあり、世界トップクラスのライブ配信クオリティー。
来場者は日本のアイドルからの“乗り換え”組が圧倒的で皆「ダンスが全然違う」と口を揃える。K-POPファンは“とにかく見ろ”としか言わないことが多く、その熱さが理解できなかったが、今回ライブを見て納得した。例えるなら、三浦大知の無音シンクロダンスを10人弱でこなし、全員が卓越したプロポーション、顔面偏差値もパーフェクトといえばわかるだろうか。
ライブ全体にはポップで明るいアイドルソングは少なく、かなりR&B、HIPHOP寄りの強めな楽曲にトレンドは移行。ダンスも力強いものに変化し、より力量を問われるようになり、日本のアイドルとの差は歴然。JYPプロデュースのNiziUがスキルを上げていてもママアワードではかすんでしまうほどである。
■BTSの生電話で熱狂
お尻ダンスで一世を風靡したKARAの再結成など、どれも盛り上がっていたが、最高潮は、BTSのJ-HOPE(28)の登場だった。受賞スピーチの壇上で13日に入隊するJIN(30)に生電話し、会場は熱狂。BTS人気は衰え知らずだった。
連日ツイッターではママアワード関連ワードが上位を占拠していたが、日本の地上波テレビやネット上でのニュースや記事は皆無に等しく、若者世代との温度差とともに、リアルトレンドを知る必要性を痛感する2日間だった。
(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ)