笑いに包みながらも鋭利に…常に自分に正直なヒコロヒーの類稀なる言葉選び
その後も「劇場では『女を捨てる』ことを求められるが、テレビでは『女である』ことを求められる」(AbemaTV「チャンスの時間」20年10月28日)などと、女性芸人が立たされている現状を言語化していった。古舘伊知郎はそんな彼女を「類いまれなる言葉選びの達人」(ナターシャ「お笑いナタリー」22年8月19日)と評している。
「本当はそこまで口も悪くないんじゃないかとか、頭も悪くないんじゃないかとか、そういった見方をしていただくこともあるんですけど、私は人間もそんなにいいほうではありませんので、口も悪いし、性格も悪いので、ちょっとヒヤヒヤしてます」(テレビ朝日系「徹子の部屋」23年4月14日)
そうも語るヒコロヒーは、桂米朝が好きだという。米朝が古典落語の中に自分の哲学のようなものを入れることについて、彼女はこう感じたという。
「その中でスゴく心に残っているのが『人間、正直に生きれば怖いものはない』という一節があるんですけど、それ聴いた時、『正直に生きなさい』って言われるけど、結局それをやってていいのは自分が怖くないから。表に立つ立場としてすごく大事なことだな、と」(テレビ朝日系「太田伯山ウイカのはなつまみ」21年5月5日)
ヒコロヒーはひるむことなく、「類いまれなる言葉選び」で笑いに包みながらも鋭利に、常に自分に正直な言葉を吐き続けているのだ。