「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」興行収入65億円を突破! 人気の秘密は期待を裏切らない“安心感”
マリオがブロックを跳びはねたり、マリオカートでゲームのスピード感は3Dアニメならではの迫力。4DXならマリオと共にシートが揺れ、風が吹き、より没入感が得られるという。
「サクサク見られたね」「マリオらしかった」と話しながら出口に向かう観客たち。まさにこの作品のいいところは“観客の期待通り”だったことだ。主役のマリオの吹き替えを担当した宮野真守(39)もゲーム中にマリオが発する声を忠実に再現していて、皆が知っているマリオのまま。声優の他の情報が入らず、マリオの世界に没頭できる。
■全世代・世界の共有コンテンツ
さらに驚いたのは、エンドロールでも席を立つ人が1組しかいなかったことである。本編が終われば荷物をガサゴソ、さっさと席を立ち、トイレに向かう人も多い。ところが、席を立ったのは500席中、たった1組。エンドロールのここかしこに遊び心があり、見逃せないのはもちろんだが、皆が“BGMを最後まで聴かないと気が済まなく”なっている。つまり、BGMを聴いていると、ゲームをクリアした時だけフルコーラス聴けるため“ゲームをクリアした”ときの達成感と“曲を最後まで聴く”ことが重なり、席を離れられなくなってしまうのだ。それだけ観客たちがゲームの世界もしくは、ゲームに熱くなっていた時代にワープしていた。