人気ハーフモデルだった青木エミさんが73歳で写真集 「良い人たちに支えられてきたと再認識」
青木エミさん(元モデル/73歳)
コーセーやカネボウの大手化粧品メーカーのCMや、雑誌で活躍したハーフモデルの先駆け・青木エミさん。人気グループサウンズ「ザ・スパイダース」のメンバーだった井上順(76)と結婚したことでも注目された。青木さん、今、どうしているのか。
「私の今を知りたい方なんていらっしゃるのですか(笑)。ここ数年で私の人生は劇的に変化したので、お話しすることはたくさんありますけど」
小田急線代々木上原駅そばのカフェで会った青木さん、まずは謙虚にこう言った。
「55歳から西麻布で会員制バー『ムーン・ダンス』を経営していたのですが、伯母、母、夫の看病・介護が相次ぎ、母と夫が同じ慶応義塾大学病院に入院していた、という時期もありました。その3人を順に送り、最後に夫が6年前に白血病で亡くなった後、この代々木上原に引っ越してきました。最初は悲しみでボーッとしてばかり。それも3年ほどで落ち着きましたが」
エミさん、再婚していたのだ。聞けば、お相手は6歳年上の、人気ファッションブランド「アルファ キュービック」創業者・柴田良三氏。
「井上順さんと33歳で離婚後、『アルファ キュービック』の役員に迎えていただき、食品部門でカフェやケーキをプロデュースしていました。93年に退職した後お付き合いを始め、母が亡くなった13年ほど前に一緒に暮らし始め、籍を入れたのは、主人が亡くなる3年前でした。優しい人でした」
「アルファ キュービック」の退職金で洋菓子店「西麻布ラ・ターブル」を買い取り、従業員20人弱まで大きくしたものの、2006年に経営が傾き閉店。車などを売って約1000万円の借金を返済し、同年、「ムーン・ダンス」をオープンしたのだ。
「『ムーン・ダンス』を母の介護のために62歳で閉店した後は、コロナ前まで『Newby』という英国の高級紅茶ブランドのアドバイザーをしていました。この春からは、主人と仲が良かった、ITや空調を扱う『株式会社パーソンズ』の会長の秘書をしています。でも、それも週1、2日。今は本当に楽ですね」
コロナ禍には、自身の来し方を振り返った。
「ちょうど還暦プラス干支が1周の72歳を迎えるときだったので、自分史をフェイスブックに書き始めました。そうしたら、懐かしい人たちに会いたくなって。そんなとき、友人から『写真集を出しましょう!』と提案され、それなら私が会いたい人に会いに行くので、その人たちとの写真を撮ってください、とお願いしました。一緒に被写体になってくれたなかには、芸能界の友人もいますし、かつての仕事仲間などもいます。総勢171人。楽しかったです(笑)」
写真集「Laugh」を自費出版で500部刷り、5月19日に東京・内幸町のプレスセンタービルで記念会を行う。
「私は子どもに恵まれず、今や天涯孤独。でも、写真集を撮ってみて、良い人たちに支えられてきたんだと再認識し、私の人生は間違いじゃなかったんだ、と確認できました」