表紙にジャニーズを使い続けた「週刊朝日」の休刊は悲劇か、喜劇か?

公開日: 更新日:

 各界の人たちに「週朝で印象に残っている記事」についてアンケートしている。多くの人が挙げるのは山藤章二の「ブラック・アングル」や篠山紀信の女子大生シリーズ、ナンシー関のコラムで、スクープらしい記事がほとんどないのが週朝らしい。

 名編集長といわれた扇谷正造が、太宰治の心中相手の手記や、向井潤吉ら有名画家の表紙原画を読者プレゼントして週朝を100万部雑誌に押し上げた。そこに殴り込みをかけたのが、新潮社の週刊新潮(1956年)などの出版社系週刊誌だった。

 政治家や権力者のイロとカネ・スキャンダルとメディア批判(主に朝日新聞)を柱に、“首輪のない猟犬”といわれた記者やトップ屋たちがうろつきまわり、次々にネタをくわえ込んできた。

“家に持って帰って家族みんなで楽しめる週刊誌”を標榜していた週朝をはじめとする新聞社系週刊誌は、“たかが週刊誌、読み捨て結構”の新潮、文春、現代の敵ではなかった。

 私も朝日新聞から休刊について聞かれ、デジタル版に少し長めのインタビューが載っている。だが、表紙にジャニーズを使い続け、ジャニー喜多川問題を扱わないと批判した箇所。印象に残っている記事は、佐野眞一が書いた「ハシシタ 奴の本性」事件。なぜ、なす術もなく編集部は橋下徹に謝ってしまったのか、今でも理解できない。新潮の「赤報隊誤報事件」と並ぶ週刊誌最大の汚点ではないかという部分は当然ながらカット。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」