「ひばりさ~ん」って気軽に挨拶に行ける芸能人が心底、羨ましかった
だからわかるでしょ、アタシにとってひばりさんがいかに偉大な存在だったかってことが。一緒に歌って呼吸できなくなるのも当たり前だと思いませんか(笑)。
直接ご挨拶したことは3回しかないんです。緊張してひばりさんの楽屋には一人で行けませんから。長い芸能生活でひばりさんの楽屋に行ったのは2回だけ。1回はある歌番組で出演者の皆さんと。
もう1回はこれもある番組だったと思うんですが、ってもう舞い上がっているから何の番組だったかなんて覚えていません(笑)。堺正章さんがひばりさんの楽屋に挨拶に行くって言うんで、「後ろから付いて行ってもいいですか?」「いいよ、いいよ」ってね。
そのとき初めて声をかけていただいたんです。「ナオコ」「ハイ!」って。「似てるわね~、歌」って言ってくれたんです。歌まね番組でひばりさんのまねをしていましたから。「紅白」に一緒に出たときも、離れてボーッと見てるだけ。楽屋には誰かが連れて行ってくれない限り、絶対に行けない人だから。
何しろ楽屋の近くを通るだけで呼吸ができなくなっちゃうし、ニコッて笑われたりしたら頭から血が噴き出しそうになっちゃうから(笑)。「ひばりさ~ん」とか言って、気軽に挨拶に行ける芸能人の人たちが心底、羨ましかったです。
(構成・藤井優)