初動興収21億円超! 宮崎駿監督「君たちはどう生きるか」の“宣伝ゼロ作戦”は現代へのアンチテーゼか
スタジオジブリの最新作「君たちはどう生きるか」が7月14日の封切りから4日間で観客動員135万人、興行収入21.4億円を記録した。
本作は宮崎駿監督(82)の10年ぶりの作品で、あらすじ、声優、予告など前宣伝は一切ナシ。関係者向けの試写会も一切せず、プロデューサーの鈴木敏夫氏は先月28日に行われた「金曜ロードショーとジブリ展」のイベントで「(宮崎監督が)“宣伝なくて大丈夫かなぁ、心配だなぁ”と言っています。でも、情報がないことがエンターテインメントになるのではないか」と語っていた。
作品内容については“難解”という声もあり、解釈についてSNSで意見交換が繰り広げられ、結果的に初動成績は「千と千尋」超えのロケットスタートとなった今作。映画批評家の前田有一氏はこう分析する。
「3連休スタートということで初動実績には有利でしたが、ジブリ100%出資製作で、他からの横やりがない分、作品性も高く、宮崎さんのやりたいことをやり切った感がありました。作品の解釈について盛り上がっているのも含め、鈴木プロデューサーの戦略通り。
今週末公開の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』がトム・クルーズが来日できず、数億円規模のダメージになるはずで、ジブリにとってはラッキーな追い風になることは間違いない。今後『キングダム』『トランスフォーマー』と夏休み向け大作の追い上げが勝負どころになるでしょう」