三浦英之著「太陽の子」、この書き手は愚直なまでに「ペンは剣よりも強し」を信じている
明日(8月25日)の午後、第22回新潮ドキュメント賞が発表される。候補5作品のなかでも三浦英之著『太陽の子』(集英社)に注目したい。じつは昨年10月の出版と同時に買ってすぐに読了、つよい衝撃と浅からぬ感銘を受けながらも、今までご紹介するタイミングを逸していたのである。
同賞選考委員は池上彰、藤原正彦、櫻井よしこ、梯久美子、保阪正康の五氏。このセンセイはあんな思想だから外すかもしれないけど、このひとなら推してくれそう、なんてミーハー気分で賞の行方を見守っている。ぼくなりに『太陽の子』の受賞を祈りつつ、遅ればせながら取りあげる次第。
著者は1974年生まれの朝日新聞記者。2011年3月11日の東日本大震災発生翌日に被災地入りし、宮城県南三陸町で続けた取材の成果となる『南三陸日記』でよく知られる。受賞経験も豊かな現役ジャーナリストのスター的存在である。