NHK紅白「史上ワースト視聴率」の必然…ダンス合戦と化し、他局の伝説番組持ち出した“なんでもない”歌番組に
年明け芸能ニュースの皮切りとなった、大みそかのNHK紅白歌合戦のワースト視聴率更新。これは関係者には事前に予想され、想定内のことであったらしい。ビデオリサーチによると、第1部では初の30%割れ(関東地区世帯平均=以下同)。ヤマ場とされる第2部も、2部制となった1989年以降で過去最低、前年比3.4ポイント減の31.9%だった。
今回、44年ぶりのジャニタレ一掃となったが、右肩下がりの視聴率はジャニタレが何組も出場していたころからの流れ。むしろ、「ジャニーズ枠」の撤廃により中高年世代を中心に視聴者の興味関心が戻っていたらしい。
「ところが、蓋を開けてみたら、韓国勢ばかり。K-POPのアイドルたちが入れ代わり立ち代わりダンスしたりしても、メイン視聴者の中高年には通じず、戸惑いの声がホールから上がっていました」
現場で取材をした某スポーツ紙芸能記者はそう振り返る。記者団が最も盛り上がったのは三山ひろしが歌唱中に行った、けん玉リレーによるギネス世界記録チャレンジだったというから、歌番組として末期的である。
■老いも若きも見る価値なしと判断
今回NHKは番組テーマに「ボーダレス―超えてつながる大みそか―」と掲げたが、ラストは対抗形式の締めとばかりに勝敗を決めるマンネリぶり。テレビ離れが続く中、テレビを見る視聴者の7割が見ていないなんて、紅白がもはや国民的番組ではないことは明らか。老いも若きも、紅白は見る価値がないと判断したのではないか。
「昨年は中年世代にお馴染みのフォークシンガーの松山千春さんが、コンサートの舞台で紅白について『出ないよ、俺は』と言い切ったものです。NHKの幹部が楽屋にやって来て、紅白についてどう思うかと聞かれたのだとか。もともと歯に衣着せぬ人ですが、このときはさらに『NHKごときにここに立て、あれを歌えと指図されるような歌手じゃない』との持論をぶっていた。出場歌手や構成うんぬんもそうですが、それより前段階として、千春さんのように紅白出場を打診されても応じない歌手が少なからずいるのでしょうね」と、前出の取材記者は言った。
今回も中森明菜ら多くの人気歌手の出場が取り沙汰されたが、いずれも実現しなかった。国民からの高い受信料をふんだんに使い、どれだけ演出に凝ったところで、肝心の中身が薄っぺらの、空っぽ同然では話にならない。
「視聴率を巻き返せなければまたぞろ打ち切り説が浮上していく。職員有志のリポートで、そのことが会長はじめ検討されていると、スッパ抜かれたこともありますよね。それらが、ますます現実味を帯びてくるとみて間違いないんじゃないですか」(NHK関係者)
「蛍の光」でさよならは、紅白歌合戦という番組そのものかも知れない。