こまつ座「夢の泪」の稽古に奮闘中! 20年以上も前の作品なのに、今の日本への警鐘としか思えない井上ひさし作品
現在4月6日から始まるお芝居、こまつ座「夢の泪」(井上ひさし作、栗山民也演出)の稽古に奮闘中である。
井上先生には学生時代から憧れていた。小説を読み数々の舞台を拝見して、劇団テアトル・エコーの養成所に入ったのも、井上さんがいたからだったのだが、私が入ったら辞められた後だった。現在鎌倉に住んでいるのも、先生が暮らした街だという理由が大きい。だからその作品に出演できるのは、この上なくうれしいことなのだ。
この「夢の泪」は20年以上前に初演された「東京裁判三部作」のうちの2番目の作品で、そう言えば硬い話に感じるが、どれも市井の庶民の家族を描き、わかりやすく面白い喜劇である。
しかも主にクルト・ワイルの曲を使った音楽劇であることも特徴である。
舞台の設定は終戦から1年後の昭和21年。
演じてみて驚くのは、そのセリフが現在の状況に驚くほどリンクしていることだ。
「いい加減な法律って、どこで誰が作っているのかしら」