著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

「散歩番組」の主役は七十代に 鶴瓶、高田純次、火野正平……それぞれの味わい

公開日: 更新日:

 バラエティーほど目立たないが、根強いファンに支えられ隠れた人気を誇る散歩番組。そのルーツは1970年代から長きにわたり放送された「遠くへ行きたい」(日本テレビ系)にある。ジェリー藤尾が歌う名曲が流れるオープニング。全国各地の原風景を巡りながら人と触れ合うほっこりする番組だった。

 後に国鉄のキャンペーン、“ディスカバー・ジャパン”の原点にもなった。旅人には放送作家の永六輔やベテラン俳優を起用。味わいあるコメントも人気だった。

「同じ街を散歩するのでも、散歩人によって番組の人気、寿命も決まってくる」(放送関係者)

 この流れをくむのが現在放送中の散歩番組。いずれも長寿を誇っている。

 笑福亭鶴瓶(72)の「家族に乾杯」(NHK)は今年29年の最長寿番組。平日午前の顔になった高田純次(77)の「じゅん散歩」(テレビ朝日系)は9年だが、初代散歩人・地井武男、2代目・加山雄三から数えると18年になる。

 福岡では前川清(75)の「笑顔まんてんタビ好キ」が12年と九州ローカルの人気番組だ。

 3人の共通点は古希を過ぎた高齢者であること。

「見ている人に高齢者が多いこともあり、若手芸人の予定調和のギャグを飛ばすと散歩がバラエティーっぽくなる。高齢者のほうが親近感も出せるし、人との触れ合いも自然に見える」(元関係者)

 三者三様のキャラも番組のキモ。鶴瓶は「いい人」キャラで好感度も高く、今や散歩の達人の域。

“イケオジ”の高田は言葉遊びのうまさで見る人を和ませてくれる。前川は正統派の歌手であるが、コメディーセンスのある俳優としても活躍。バラエティー実績もあり、朴訥な話ととぼけた味で笑わせる不思議な魅力を持つ。

 今春、惜しまれながら16年で幕を閉じた「ブラタモリ」(NHK)もタモリ(78)の教養と番組の趣旨がマッチした新しい形の番組だった。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  3. 3

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  4. 4

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 5

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  3. 8

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  4. 9

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  5. 10

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ