「紀州のドン・ファン事件」須藤早貴被告は無罪に…検察が控訴できないこれだけの理由
そこで検察側は「野崎さんが亡くなった日はふたりだけだった時間が長かった」「1階から2階に上がったり下りたりした回数が多かった」「早貴被告が覚醒剤を入手した(売人2人のうち1人が否定)」「完全犯罪などに関する検索履歴があった」などの状況証拠を積み重ねたが、それはあくまで間接的に犯罪を推認させる証拠で、犯罪を直接証明するものではない。
検察が控訴するなら判決の翌日から2週間以内の手続きが必要だ。その際、①「野崎さんが自分で覚醒剤をのんでいないことを証明する」、②「早貴被告がのませた方法を確定し、それ以外にのんだ可能性がないことを証明する」ことが必要になってくる。最低でもどちらか1つを証明できれば控訴できるが、今さらそれができるのなら1審で明らかにしているはずで、ほぼ不可能だろう。
となると……、1審の判断は間違いだと主張するしかない(裁判官が代われば別の判断になるかも)。
もっとも、この状態で再度、無罪判決が出たら検察(上級庁含め)は大恥をかくことになる。直接証拠を出せず、自白も取れなかった検察の敗北だと思う。