女優・剣幸さん「中畑清さんの引退試合のホームランを見て退団を決めた」
剣幸さん(女優/元宝塚歌劇団)70歳
宝塚歌劇団の月組男役トップスターだった剣幸(つるぎ・みゆき)さん。退団後も俳優として映画やテレビ、ミュージカル、さらに音楽活動と幅広く活躍。1974年の宝塚入団から芸能生活は50年を迎えた。いくつもあった転機を語ってくれた。
■高校時代は富山の工業高校でボルトの製図をやっていた
まず自分の人生が「ここでひとつ変わった」と聞かれたら、工業高校を選択したことですね。富山県の田舎で過ごした中学時代までは将来のことも何も考えずに過ごしていました。高校進学時には、まだ何になりたいかとかは決まっていませんでしたが、何かモノづくりができるかもしれないと思ったんです。
絵を描いたり、プラモデルとかお料理とか何か作ったりするのが大好きだったんですよ。それで工業高校に行けば、例えば家の設計とかデザイナー的なインテリアデザインの製図が描けると考えていました。実際はまったく違っていてボルトやナットの製図などをやらされました。
高校を卒業したらどうする? その時にふと思ったのが宝塚受験です。受かる受からないよりも人生の中で一度は絶対チャレンジしなきゃいけないんじゃないかと。当時はNHKで「歌のグランドステージ」という番組があった。人気歌手の歌謡ショーです。そこに宝塚のトップスターが出ていて後ろで踊ってた。それを見て「ダンサーになりたい」と。怖いもの知らずですよね(笑)。よく考えたら音楽の授業もない工業高校に行って、音楽学校を受けるもないですよね。