「文春砲」炸裂の裏に喜田村洋一弁護士あり “守護神”が見守ったスクープ連発の舞台裏

公開日: 更新日:

 調書は麻原の元主任弁護人から入手したものだった。大手メディアの何社かは同じものを手に入れていたが、警察や検察は「自白調書などない」と発表していたから、恐れて出せるはずもない。

 私は、これを1996年の新年合併号で独占掲載しようと決めた。だが、当時の顧問弁護士は「ヤメ検弁護士」だった。彼に話すと烈火のごとく怒り、止めようとした。だが、諦めきれなかった。一晩考えて、政府がオウムに破防法を適用しようとしているが、その是非を考えるために、調書を公開することには高度の公益性があるという理屈を捻り出し、早朝、専務に「やらせてください。(止めていた)輪転機を回します」と電話した。

 メンツを潰された東京地検は、麻原に「秘密漏洩罪」で私を訴えさせるという“禁じ手”まで使って、社をガサ入れすると司法記者たちにリークした。ガサ入れは社としても困る。仕方なく私は、深夜、社の某所で検察の人間と会い、調書のコピーを渡した。入手先は言わなかった。報道の自由は踏みにじられた。当時、喜田村弁護士だったら何とアドバイスしてくれただろう。聞いてみたかった。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  1. 6

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  2. 7

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  3. 8

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  4. 9

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 10

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ