著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。2012年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。現在、名古屋芸術大学客員教授として文学や漫画理論の講義を担当。

「時代とFUCKした男」加納典明(1)56年前、草間彌生と芸術的なクロスをした「FUCK」

公開日: 更新日:

外国人男性のグラビアが伝説的編集者の目に留まり…

加納「26歳です。名古屋から東京に出てきて、ニューヨーク行くまでは言ってみりゃフリーとしてやってました。それで食うには困らないくらいの仕事はしてた。広告写真を主にーー要するにお金になる仕事はそれこそ雑な仕事から、活版仕事からグラビアから、いろいろやってましたよ。食うだけならそれでぜんぜんよかった」

増田「ニューヨークに移住しようとしたんですか?」

加納「いや。完全に向こうへ行っちゃったわけじゃなくて、あのころ平凡出版が平凡パンチでニューヨーク特集をやろうという企画があったんです」

増田「ニューヨークなんてまだ簡単には行けない時代でしょう」

加納「そう。異国もいいところの時代で。簡単には行けませんよ。それが僕に白羽の矢が立ったんです。なぜかっていうと、その少し前から僕は平凡パンチでヌードを撮るようになってたんです」

増田「平凡パンチがビッグバンの基点だったと」

加納「そういうことになるね。当時、アサヒカメラとかカメラ毎日とか、カメラのアマチュアの専門誌があったんです。そのどっちかの雑誌で僕がグラビアを撮ったんですよ」

増田女性のヌードですか?」

加納「いや。男。テオ・レゾワルシュというフランスのパントマイマーが日本へ来てて、それを海岸連れてっていろんなとこで撮った。8ページぐらいのグラビアをモノクロで出した。それを平凡パンチの石川次郎*とか椎根和が目に留めていたんですね」

※石川次郎(いしかわ・じろう):1941年東京生まれ。編集者。早大卒後、平凡出版に入社。「平凡パンチ」の編集者として活躍した後、いったん退社。その後、再入社し、「BRUTUS」や「ターザン」などの創刊編集長になって一世を風靡。1994年から8年間、テレビ朝日系列「トゥナイト2」のキャスターを務めた。

増田「お2人とも伝説的な編集者です」

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