リスクが68%低下 「虫歯」がある人はがんになりづらい

公開日: 更新日:

歯周病はしっかり予防すべし

 原因菌の違いは、細菌の感染と戦う免疫反応の違いを生む。免疫の調整役である〈ヘルパーT細胞〉というリンパ球には、Th1、Th2、Th17といった種類がある。虫歯では主にTh1が免疫反応の主体となり、歯槽膿漏などの歯周病ではTh2とTh17が主体になる。

 虫歯に関係するTh1は発がんを抑制して体を守る方向に働き、歯周病に関わるTh2とTh17は逆に発がんを刺激して育てる働きがあることがわかっている。

 つまり、虫歯菌を持っているだけならがんを抑制する免疫が高まり、がんになりづらくなる。歯周病はしっかりと予防して、虫歯菌だけとうまく付き合うことができれば、がんの予防につながる可能性があるのだ。

「論文では、口や喉のがんについての報告だけですが、歯周病はがんだけでなく糖尿病などの生活習慣病との関連も指摘されています。口腔内の環境が全身に影響を与えるということですから、虫歯に関わるヘルパー細胞が他の部分のがんを抑える可能性もあります」(石原氏)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」