「免疫療法」で根治可能に アレルギー性鼻炎の最新治療
皮下と舌下、どちらがベターか気になるところ。注射による痛みや定期的な通院などの負担を考えると、長期間にわたる治療だけに、舌下の方に軍配が上がるか。
「重い副作用は舌下の方がずっと少ないとされています。皮下はアナフィラキシーショックが100万回の注射で1回起こるとされ、舌下では、海外のデータで1億回の投与で1回程度とされています」
アナフィラキシーショックは、全身に起こるアレルギー症状で血圧低下や意識障害などを引き起こし、場合によっては死に至る重篤な症状だ。皮下免疫療法ではだいたい3年で50回程度の注射になるので、「100万回に1回」の副作用は高い確率ではない。しかし、用心するに越したことはないだろう。
ただし、ダニアレルギーは鼻炎とぜんそくの両方の原因になるが、鼻炎は皮下、舌下のどちらも保険適用になっているのに対し、ぜんそくは皮下だけだ。
今回のアレルゲン免疫療法はダニアレルギーに特化して有効なので、ほかのアレルゲンにも反応する人は症状が100%消えるわけではない。ただ、たとえばダニアレルギーの通年性と、スギ花粉の季節性の2つのアレルギー症状に悩んでいる人は、相乗効果で症状が一層つらくなるので、今回のアレルゲン免疫療法によって症状が緩和されるかもしれない。